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日々の泡
仏蘭西の小説、ボリス・ヴィアン作「日々の泡」を今読んでいる。
浅学にして全く知らなかったがかなり有名な話らしい、なぜかもうひとつ「うたかたの日々」と言う題名でも刊行されているのがこの小説の特異性を物語っているようだ。 内容はコランとクロエという男女の恋愛、と言っても良い物語。 しかし、まったく普通の小説ではない、登場する人々も、背景も、全て異様に描かれ、捻じ曲がり、時に甘美に、また時には残酷な描写であっという間に人々は殺されてしまい、唖然とするが、あまり後味の悪さと言うものは残らない。 その空気はまるで悪夢のよう、夢の中ではどんな不条理が起きても疑わずに受け入れてしまうような感覚がここにはある。 スケートに行けば遊んでいる人々の九割がぶつかり合い死んでしまい、掃除係が箒ではいてしまうなんていう描写は悪趣味で気が引けたが、初めてコランがクロエというデューク・エりントンの曲と同じ名前の女性に会ったのちに「恋に落ちると人は阿呆になる」と語り、出されたケーキにナイフを入れるとその中には友人が探していた本と同時に「クロエに合う約束が入れられてあった」というあたりから私はだんだんこの小説を読み進めるようになってきた。 この二人、大体生活感が無い、とても裕福な友人が結婚祝いに自分の財産の四分の一をくれてしまうのでそれで暮らせるのだ。その友人のほかには専属シェフや仲の良いハツカネズミなんかとの奇妙な日常の中、突然彼女が原因不明の病気に冒されてしまい、こんな切ない描写が突然現れる。病床でキスを迫る彼女にそっと口づけをすると 「ぐっと強く彼は両腕に彼女を抱きしめた。彼女はほのかに暖かくて芳香を放つのだった。 白繻子張りの詰め綿をした箱から出されたばかりの香水の小瓶のように。 「そう・・・」とクロエは身を伸ばしながら言った。「・・・・・・もっと・・・・・・」 この辺で私はやられました。 彼女の病気は胸の中に睡蓮の花が咲くという奇病、しかもはだけたその肌には胸の中に咲く睡蓮の花が透けて見えるという妖しくも苦しい病、その治療法は無く、部屋中にあらゆる花を飾る療法しかないという。彼はその花代のため、友人から貰った途方も無い財産も使い果たしていきます。 実はまだこのあたりまでしか読んでいません。ネタバレにもならないのでした。 この先どうなるんだろう? この小説は大人向け「不思議の国のアリス」であるとの評価もあります、だとすると、まさか「夢落ち」じゃないでしょうね。まぁ、どんな結末にしろ、これ以上は書かないと思います、気になる方は呼んだほうが良いと思うから・・・。 今日はデューク・エリントンのCD買うだろうな、きっと。 ![]()
by Detachment801
| 2008-12-06 05:48
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