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旧車 パトカー 街の写真、食べ歩きから不要情報までというブログでしたが2014年に横浜に転居直後に癌発症、その後転移が見られ、現在も療養中。そのため内容がクルマに限らず身近なエリアと話題主体になっています。
by Detachment801
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トーションバー・サスペンション。

この数日、MichaelさんのBlogで見た、戦車のトーションバー・サスペンションについて気になっていました。リーフスプリングやコイルスプリングとは違い、鋼製のロッドのねじりを利用して車両を支えるシステムには以前から興味があったのですが、改めて記事にしてみます。

TACOM 1/35 King Tigerの箱絵。ずらりと並んだ転輪の一つ一つがトーションバーで支えられる。https://www.amazon.co.jp/タコム-Sd-Kfz-182-ツィンメリットモールド付-履帯新金型バージョン-TKO2045S/dp/B07D5DNSW2 ツィンメリット・コーティングという仕様にも心惹かれる。
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実車の写真。ターレットを外すとトーションバーの列が見える。出典:https://www.pinterest.jp/pin/320037117262150737/

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NSU製ケッテンクラート・モーターサイクルトラクタ。このような車両にもトーションバーは使われた。操舵は前輪だけではなく片側の履帯(注)を制動する事でも行われる。先日のオークションで1798万円で落札されたそうだが、私が裕福なら、もしも中古マンション程度の価格でこの歴史的な車両が買えるなら欲しいと思ってしまった。使い道無いけど(笑)
出典:https://www.autocar.jp/post/489793
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VWビートルのような乗用小型車にも、部品点数が少なくスペースを取らない点から採用されたようです。発表当時の冊子(筆者蔵)より。

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我が国ではスバル360に採用、ばね技術遺産にも認定されています。
その後ホンダCRXや最近のトヨタ・ハイエースもトーションバーを採用するなど、現在まで使われている技術であることは本当に興味深い。出典:http://www.jsse-web.jp/desc_heritage.php?id=32
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私が初めてトーションバーをそれと認識したのは1957年式のプリマス・ベルベディアでした。80年代に整備工場のリフトで上げた同車を下から見上げたときに、前輪にスプリングがなく、二本の棒で支えられているのを見て「ああ、これがトーションバーなのか!」と感動しました。

1956年秋の新車発表広告(筆者蔵)より。
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今見ると当時のクライスラー社ではこのプリマスが廉価グレードであったとは思えぬこの押し出し。まさに富める国アメリカであった。広告写真では免許取りたてのような女性がひとりで乗っているのも手頃な安いクルマのイメージなのでしょう。もちろん日本では運転手付きのハイヤー需要が多かった。
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クライスラーでは34年間に渡って基本構造が変わらなかった前輪トーションバー・サスペンション。非常に簡便な構造です。
出典:https://www.allpar.com/threads/chrysler-torsion-bar-car-suspensions-1957-1992-torsion-aire-torsion-quiet.229918/
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その他、いろいろな車両に採用されたものと推察しますが、個人的興味の範囲内でまとめました。あしからず。

(注)履帯:キャタピラー/CATERPILLARは商品名。英語ではTRACK 、カタカナ表記だと貨物車のTRUCKと混同しやすい、道交法では「カタピラ」。


by Detachment801 | 2021-07-21 08:35
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