ロシアの日本車マニア

日本の中古車や廃車になった車が、そのままの姿でロシアに輸出され、ウラジオストクの街の映像では、道路公団の黄色いパトロールカーや、「ケンちゃん餃子」とパネルに書かれたままのトラックなどが行きかう姿を過去に見たことがあり、楽しく思っていました。
最近はただ安いからではなく、日本車マニアと呼ばれるような若者が1980-1990年代のスポーツカーを入手して、カーショーや日本国外では初めてのドリフト走行イベントが行われるなど、かなり熱を帯びていると、7月17日のNHK「おはよう日本」で報じられ、そのマニアックな姿に驚きました。これは良い特集だった。NHKは侮れない。

過去にその現象を取材したジャーナリストによると、ロシア中央政府は日本からの輸入中古車を好ましいものとは見ておらず、なんとか減少させようと躍起になっているそうですが、ウラジオストクの若者たちはそれに反発し、地方の権利としてさらに日本車に傾倒しているとのことです。
丈夫で高性能、もう、このようなスポーツカーは作られないとマニアックな評価が高い1990年代の日本車をエンジンルームまできれいに仕上げている。
そのファンは男女問わない、メンテナンスも自分で行い「現代の自動車とは違い、まるで生きているようだ」と熱く語る女性。トヨタ・カリーナには乗っていなかった。
誇らしげな表情で母親に写真を撮ってもらっている男の子。どこの国でもこういった子供のマニアがいるのは微笑ましい。周囲にはフェンダーミラーの日本車がずらりと並ぶ。
上記：「右ハンドル」の著者は古い日本車を「カルト的」とすら評している。ロシアの若者の日本車に対する情熱は政府の圧力にも全くひるむことはない。近年、米国でも25年を経過した中古車の輸入は自由であることを利用して、通称ハコスカと呼ばれる日産スカイラインなどの右ハンドルの日本車が数多く米国の地を走っているそうです。青春時代の私にはこのような時代が来るとは全く想像もつかなかった。