モドキ。

昨日見かけた「覆面パトカーモドキ」本物に比べるといろいろと細部が異なるが、15年ぐらい前に高速道路などで見かけたら一瞬ハッとしたかもしれない。

それの少し後のセドリックとしては最終型の警護車（実物）。何となく押し出しが違う。
調べてみると、この「モドキ」と言う言葉は実は歴史がある言葉で、古くは鎌倉・室町時代の神楽などに端を発する、芸能にまつわる言葉であるようだ。それも単なる「真似」や「擬似」だけではなく、主役を非難したり、揶揄したりする意味まで持つという深い言葉。
日常では「がんもどき」が有名であるが、これは精進料理における鶏（雁）肉の代用品として、「雁擬」としたもの。（関西ではポルトガル語源の「ひりょうず」と呼ばれているらしい）子供の頃はたいしてうまいものと思わなかったが、最近はとても美味しく感じるのは歳のせいか。
画像はWikipediaより。
昭和30年代生まれの方だと、マグマ大使に出てきた「人間モドキ」と言うちょっと薄気味悪い存在も記憶にあるように思います。余談ですが、中野ブロードウェイセンターができたころ。マグマ大使とゴアが来ると言うので、親に連れて行ってもらいましたが、マグマ大使の金色の着ぐるみが全体に細かいヒビに覆われていて気持ち悪かった。
また、昆虫や植物にはこの「モドキ」名称が多く、子供の頃図鑑で見た「ショウリョウバッタモドキ」「クルマバッタモドキ」という名前が妙に頭に残っています。
単なるコピー商品などは「ルイヴィトンモドキ」「ロレックスモドキ」とは呼ばれないため、「モドキ」と言う言葉は営利目的ではないそれなりの裏付けがあるものに使われるのであろうと推察します。
あまり普段気にかけぬ言葉でもちょっと調べてみると案外面白いものだと思いました。