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旧車 パトカー 街の写真、食べ歩きから不要情報までというブログでしたが2014年に横浜に転居直後に癌発症、その後転移が見られ、現在も療養中。そのため内容がクルマに限らず身近なエリアと話題主体になっています。
by Detachment801
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米車になりたかった仏蘭西車。

昔から時々聞くことに、仏蘭西人の中には米国が好きではない人がいて、英語を話せてもあえて話さぬ人なども多く、米国の存在や米国人の考え方に疑問を持っている人がある程度存在するというのが何となく常識になっているように感じます。

しかもその裏には大きな羨望が含まれているという複雑な感情もあるとの分析も散見されます。
私は浅学にしてあまり深い部分は理解してはおりませんが、好きな古いクルマの雑誌記事などで過去にそれを裏付ける文章を目にしたことがあります。

カーグラフィック 73-06号 「特集 1950年代のアメリカ車」より。フルサイズの米車に対する仏蘭西人の感覚を映画に例え「道行く人の羨望と軽蔑を浴びる」と書かれています。(小林彰太郎 記)
米車になりたかった仏蘭西車。_f0145372_17314510.jpg

この、「羨望と軽蔑」と言う表現は1964年に、ジャーナリストの増山栄太郎氏(*)が「世界週報」に発表された論文を参考にしたのかは不明ですが、なかなか言い得て妙であると思います。
国立国会図書館HPより。
米車になりたかった仏蘭西車。_f0145372_17403455.jpg


過去の記事ですが仏蘭西人の米車好きはこんな記事でも垣間見ることができます。1979-08 CAR And DRIVER 日本版 より。右下のDe Soto(説明では1957年式とあるが1955年式、右中ビュイックも1956年式、左下キャデラックも1956年式が正しい)が輸出型のDipromatであるのが興味深い。
米車になりたかった仏蘭西車。_f0145372_17443514.jpg

そして、米車になりたかったとしか言えぬこのような車も存在していた。「SIMCA Chambord 」1958年式。これはマニアでなければ米車と見間違えてしまうほど忠実にその時代の米車の特徴をとらえています。

https://youtu.be/w1hClsooE5k
米車になりたかった仏蘭西車。_f0145372_07450224.jpg


クルマに興味がない方ならこのあたりの米車と見間違えることでしょう。「Ford Fairlane」1955年式。

米車になりたかった仏蘭西車。_f0145372_17520596.png

ただし、米車もその名称を仏蘭西人の名前「Chevrolet」「Cadillac」などから頂くなど、(その他にもショーカーにclub de merやparisienneなど仏蘭西的名称は多数存在した)お互いに意識しあっているような感覚は興味深く思います。


(*)増山栄太郎氏略歴(2005シルクロードお遍路の旅 より)
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by Detachment801 | 2021-06-08 17:57
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