人気ブログランキング | 話題のタグを見る

旧車 パトカー 街の写真、食べ歩きから不要情報までというブログでしたが2014年に横浜に転居直後に癌発症、その後転移が見られ、現在も療養中。そのため内容がクルマに限らず身近なエリアと話題主体になっています。
by Detachment801
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28


幼少期に親しんだ本。その2.


60年近く前に母方の叔母がこの中から十数冊を選び購入してくれて、これも父が毎晩少しずつ読んでくれました。幼稚園の時、父の社員旅行に私も連れて行ってもらった晩も箱根の保養所で読んでくれました(ここで私は大きな錦鯉がいる池に落ちるという恐怖の体験をします)。
この全集は、ギリシャ神話、モーパッサン短編集、チャペック短編集、若草物語、アンデルセン童話、クオレ、ファーブル昆虫記、など今でも好きな物語がたくさんあり、私自身の人格形成にとても役に立ったと思っています。

今思い出してみると、好きだったのはフランスやロシアの短編、さまざまな中国の物語、そしてやさしく書き直された謡曲が特に好きでした。
幼少期に親しんだ本。その2._f0145372_06193647.jpg
小学生になり、自分で読めるようになると、それも楽しかった。

アンデルセンの「パンを踏んだ娘」は本当に恐ろしかったし、お互いを思うあまり大切なものを売り行き違いが起きる貧しい夫婦の金時計の話、ギリシャ神話では自己愛のあまり不幸な最後を遂げるナルキッソス、チャペック短編の長い長い郵便屋さんの話。
アルザス・ロレーヌ地方が戦争でドイツのものになり教師が生徒たちに切々と訴える「最後の授業」などいくらでも思い出されます。

中国の話は有名な西遊記(呉承恩)の常に読む者を安心させない冒険物語の素晴らしさ。
宝のひょうたんを手にしたワンパオが望みをかなえるが、ひょうたんは人間とは考え方が違っていて大変なことになってしまう・・・と言う話(張天翼)や、古典と現代短編集がことのほか好きでした。

特に中国現代短編の、ツバメの兄弟が、秋になると皆で南に行かなければならないことを面倒くさがり「時間の足」を見つけて捕まえればいいのだ、と探し回るがとうとう親たちもいなくなり、不安の中、必死で生きていくうちに自分たちも成長して南の国で親ツバメたちに再開する話(秦兆陽 つばめの大旅行)が大好きでした。こういう話に親しんだ経験は中国の文化にも親しむことができて良かったと思っています。

東洋編3の表紙、それぞれの内容に合わせた世界中の絵画が表紙を飾っていた。
幼少期に親しんだ本。その2._f0145372_07030349.jpg

謡曲を子供向きに書き直す試みはとても素晴らしく、三井寺、熊野(ゆや)など狂女が出てくる話を食い入るように読みました。私が小学生なのに能が好きだと近所の謡好きのお婆さんに母がつい話したところ、全く読むことができぬ「熊野」の台詞を印刷された渋い冊子を私にと頂いてしまい、読めないのでそのお婆さんに逢って「あれはどうだった」と聞かれるのが怖くて逢わぬよう願っていたことも思い出されます。

いまでもたまにTVで能をやっていると難解ながら時々見てしまいます。
幼少期に親しんだ本。その2._f0145372_07092800.jpg

子供の頃、寝る前に毎晩本を読んでくれた父親には大して親孝行もできませんでしたが、感謝しかありません。

by Detachment801 | 2021-05-12 07:10
<< 厚木ホルモン。中華食材。 幼少期に親しんだ本。 >>