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旧車 パトカー 街の写真、食べ歩きから不要情報までというブログでしたが2014年に横浜に転居直後に癌発症、その後転移が見られ、現在も療養中。そのため内容がクルマに限らず身近なエリアと話題主体になっています。
by Detachment801
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自動車デザインの語るもの 石渡邦和著  NHKBooks刊 1998年

天気の良い日に公園で読書するのは気持ちが良い、この本、先日近所の古書店で見かけ、最近のクルマデザインには興味がないので何の期待もせずにふと手に取ったが、いきなり70年代の思い出から始まり「アイビースタイルでズボンの裾がすぼまっていた」に捕まってしまいました。

内容も、新しい欧州車偏重ではなく、米国のスタイリング史について重要なハーリー・アール氏やその作品Y-Job、現代モーターショーの草分けであるモトラマ、日本の文献ではまず取り上げられない1949年の「トランスポーテーション・アンリミテッド」にまで触れられていたり(氏は1970年代にいすゞ自動車から米国ゼネラルモーターズに出向経験あり)、思いのほか楽しく読み終えました。

出版が約二十年前ともはや時間がたっていますが、内容的には古臭さを感じさせず、むしろ70-80年代のVWやメルセデスの記事なども興味深く、「戦後の欧米スタイリング史・SMART出現まで」、と区切られたものとして読めば上質で読みやすいとても良い本だと思います。

私事ですが、父が74年からいすゞ自動車のGM業務室勤務でしたので、年代的に重なっており。もしかしたらお互いに面識があったのではないかと思うとそれも感慨があります。
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この一行に捕まってしまった。たしかに70年代にはズボンの裾を詰めて履いていました。
みゆき族の名残もあったのか、スリムジーンズでも丈を短めに履くのもまだ流行っていたころです。
あまりに細くすると大人たちからは「車屋のパッチ」などと呼ばれたり、しゃがんだときに股間が裂けたりした思い出もあります。
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クルマのデザインがまだその地位が低かった時代に、GMのスタイリング担当副社長まで上り詰めたハーリー・アールとY-Job(1951)
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コンセプトカー、ドリームカーを多数展示したモトラマについて書かれた本。表紙はLeSabre。
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30年前にこのビデオを見て感動した「トランスポーテーション・アンリミテッド」ファストバックの新車や、フィッシュテールのキャデラックなども見られます。今では簡単にYouTubeで見られるのですから隔世の感があります。

https://www.youtube.com/watch?v=U36d3fy9PUA&t=9s
自動車デザインの語るもの 石渡邦和著  NHKBooks刊 1998年_f0145372_07430559.jpg

by Detachment801 | 2020-06-11 08:19
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