西班牙感冒とコロナウイルスについて。

ここのところ、100年前のスペイン風邪と現在のコロナウイルスに対する世の中の反応がそっくりであるとの話が良く聞かれるので、検索してみました。
なるほど、マスクの必要性を説く記事、家庭内でもついたてを使用する絵、学校休校に関する記事、新聞社職員が多数罹患してしまい記事の削減、看護師不足など、まさに現在のコロナウイルスに置ける状況とよく似ています。ただしこの状況が現在よりもかなり進んでいたと思うのは、当時はまだ治療薬もワクチンも何もない状況でかなり的確な対応をしていたとみられること。これは本当にみるべきところです。また、看護師を高額で雇いたい。という考え方。これは現代の看護師、医師、患者に対する差別、自粛警察と呼ばれる暴力よりも真摯な態度で人々が向き合っていた様子を感じます。また、現在のように「武漢肺炎」だの「チャイナウイルス」だの、特定の国を非難することに明け暮れる米国トランプ大統領は、このスペイン風邪と呼ばれるインフルエンザが米国で発生したこと、第一次大戦中の米軍によって世界中に広められ、5億人とも呼ばれる罹患者を出し4千万人を超える死者を出したことを真摯に考え、つまらぬ非難をやめて、感染症には世界全体が手を結び、前向きに連携すべきだと思います。なぜなら、必ず第二波が来ることは過去の例からも避けられないからです。

米国人の中には知性のある人よりもトランプのような「乱暴だが言いたいことを言う頼れる強いオヤジ」的雰囲気が好きな人間がけっこういますので、このような思慮のない、選挙狙いの利己的な文言になびいてしまうことは普通にあると思います



やはり物資が不足すれば価格は上がる現象が起きています。衛生局長の言葉で「マスクの不足は事実だが別に材料不足ではないから各自自宅で作って貰いたい」がまさに現在と変わりません。

居間を隔てて身を守れ。病人は別室に。これも現代とまったく同じ考え方。

学校、工場の休校、休場を伝える記事、郵便配達や電報配達にも支障が出ていると伝える。

列車内でのマスク着用を進める広告、帰宅したらうがいも。

新聞社も社員欠勤が多いため、紙面を減らした。


看護師の給与急騰！この記事には驚く。

この猛威に、与謝野晶子は、以下のように国家による規制の不一致を強く非難し、「貧しきを憂いず、均しからざるを憂う」
として貧しいものがより苦しんでいることを訴えています。これも現在に通じるのではないでしょうか。（与謝野晶子さんのご子息がスペイン風邪で亡くなったという一部の記事は誤りであるようです）

「政府はなぜいち早くこの危険を防止するために、大呉服店、学校、工業物、大工場、大展覧会等、多くの人間の密集する場所の一時的休業を命じなかったのでしょうか」

「そのくせ警視庁の衛生係は新聞を介して、なるべくこの際多人数の集まる場所へ行かぬがよいと警告し、学校医もまた同等の事を子供達に注意しているのです。社会的施設に統一と徹底との欠けているために、国民はどんなに多くの避けらるべき、禍を避けずにいるか知れません」

「同じ時に団体生活を共にしている人間でありながら、貧民であるという物質的の理由だけで、最も有効な第一位の解熱剤を服すことができず他の人よりも余計に苦しみ、余計に危険を感じるということは、今日の新しい倫理意識に考えて、確かに不合理であると思います」