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旧車 パトカー 街の写真、食べ歩きから不要情報までというブログでしたが2014年に横浜に転居直後に癌発症、その後転移が見られ、現在も療養中。そのため内容がクルマに限らず身近なエリアと話題主体になっています。
by Detachment801
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フラムボワイヤンとアメリカンスタイル

1930年代の仏蘭西ではフィゴニ・エ・ファラシ、ソーチックなどに代表されるカロジエの全盛期があり、富裕層はこぞってフラムボワイヤン様式(火炎派)と呼ばれる絢爛なオートクチュールボディを注文し、贅を極めました。戦後も1947-48年には復活の兆しを見せましたが、時代はすでに注文ボディを必要としなくなり、徐々に消えていく運命でしたが、1950年代のアメリカ車のスタイリングにときたまその残滓を見ることができ、また、米国に憧れる一部の仏蘭西車はアメリカンスタイルを取り入れるなど、そのキャッチボール的感覚は興味深いものがあります。


裾を引いたフェンダー、べったりとしたクロームの装飾を持つ1936年Delahaye135  Figoni et Falaschiによるもの
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車輪の存在を隠し大胆にクロームが貼られたSaoutchikによる 1949年 Delahaye 175 S Roadster
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Figoni et Falaschiによる1947年Delahaye135M、車幅いっぱいにビルトインされたヘッドライトが高い位置に置かれていることに戦後の空気を感じる、しかしこのスタイルもそろそろ行き詰まりを感じさせる。
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明らかに1930年代の仏蘭西的なサイドモールを採用した1955年フォード・クラウン・ヴィクトリア
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そのスタイリングは直ちに仏蘭西車に影響を与えた。1958-61Simca Vedette
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1955年フォードの後ろ姿。コンチネンタル・スペアマウントはアクセサリーパーツ。
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路上で見かけたら、絶対に米車と思ってしまう1958-61 Simca Presidence
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1936年 Tarbot-Lago T150C の装飾のみの用途であるクローム
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1959年式キャデラック・エルドラドに見られるボディを保護しないべったりと貼られたクロームは上のTalbot-Lagoのような1930年代フラムボワイヤンの特徴をよく伝えている。
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現代のクルマではありえないスタイリングはいつまでも見飽きないものがあります。


by Detachment801 | 2020-05-11 02:17
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