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旧車 パトカー 街の写真、食べ歩きから不要情報までというブログでしたが2014年に横浜に転居直後に癌発症、その後転移が見られ、現在も療養中。そのため内容がクルマに限らず身近なエリアと話題主体になっています。
by Detachment801
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映画「遠くの空」と学生運動

たった1館だけで上映、しかも10月22日、最終日だったので急遽見に行く。あとは地方を数日ずつ回るようです。ほとんどの方が見ることが出来ないと思うのでネタバレです。何とかして見たいと希望される方は読まないように
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1980年、日本のTVでは隣国、大韓民国、光州(クヮンジュ)での民主化運動が暴動のようになったニュースが連日報道されていた。
当時の韓国は西側には属するが、軍事独裁政権下にあるため、世界的には1960年代に盛んであったスチューデントパワーの波乱が起きたのは10年ぐらいのずれがあるようだった。
様子は違うが中国での天安門広場事件のように、民主化を求める若者たちと軍の衝突であり、結果は火を見るよりも明らかであった。

何だったか良くわからぬが後ろ手に縛られた多数の学生らが路上に転がされる情景ぐらいは目に残っているという人も多いのではないかと思う。

当時20歳であった私には、戒厳令と言う言葉は教科書に出ている226事件位でしか知らず、実際に隣国で起きている現実があまり良く理解できなかったのも事実である。

その時代を背景にしたラブストーリーであるなら、やはりなんとしてでも見なくては・・・と思い新宿へ、ここも40数年前には反戦反米、反帝国主義学生運動で騒乱状態だった場所ではあるのだが、もはやその片鱗もない、
だいたい今の大学生が米軍への燃料輸送列車阻止なんて考えは逆立ちしたって出てこないに決まってるもんね。TVでは連日、機動隊の警棒で頭を割られ、死んでしまうのではないかと思うぐらい血を流した学生の映像が当たり前のように茶の間に届けられ(団地であった家には茶の間はなかったが)小学生もゼンガクレンなんて言葉はみな知っていたものだった。
そのころ御茶ノ水駅周辺は紺色の制服にジュラルミンの盾の機動隊員で溢れ帰り、杉並区内の公園ではヘルメットに手ぬぐいマスクのホンモノの学生運動家たちが旗ざおを持ち、デモ行進やシュプレヒコールの練習に余念がなく、見物していた小学生の私たちが「アンポハンターイ!」と野次るとリーダーらしき人物が「安保反対ではない、すでに安保は成立したのだから安保粉砕と言うようにね」なんて丁寧に説明してくれたりして、ちょっとオトナ扱いされて嬉しく思ったりした。

脱線した。

さて、映画は現代の日本、在日韓国人の母アキコ(黒田福美)と日本人の父(既に他界)に育てられた美江(内山理名)が勤務する企業に ある日韓国から出向してきた上司ユウ・ジョンベ(キム・ウンス)氏、
恋人がいる美江ではあるが、親子ほども歳の違う彼に、なぜかわからぬが心惹かれるものを感じ、急速に接近する。
二人が淡々と東京都内をあちこち散歩するシーンが美しい、銀座、新大久保、六本木、上野、東京に住むものには見たことのある風景が広がる。
このなかで食事のシーンには新大久保の「オザッキョ」がたびたび使われるのが私には嬉しかった。

そして彼は、1980年ごろ、光州で民主化学生運動のリーダーであった過去を話し始める、状況は悪化し仲間は次々捕らえられる中、心の支えであった女性がいた、彼女はヤスコという太宰治を好む在日韓国人学生で光州に勉強に来ていたのだ、ある日彼女は軍隊に足を撃たれ、その後姿を消し、結局そのままになってしまったと言うジョンベ、

このとき美江の心の中にある疑念が生じる。母ヤスコは韓国に行ったことがあり足に深い傷を負っているのだ。
と書けばわかってしまうよね、ちょっと安易なストーリーなのだ。

結局好きだったジョンベ氏を母に引き合わせる美江、このとき母が政府の支援で留学し、心ならずもスパイの役割を果たしていたと言う隠していた過去を明らかにするのだ、いたたまれなくなり韓国を後にしたのもそのせいでありヤスコは偽名であった。

そして、美江は、自分がこの二人の子であると気づく、なぜか惹かれたジョンベ氏は、もう一人の父であったのだと・・・(結果純粋な韓国人であった自分にも気づいたのかもしれない)


はい、こんな感じで淡々と続くストーリー、あまり大きな事件もヤマ場もなく静かな映像と音楽。熱いものを期待するとやや期待はずれと言えなくもない、淡く美しい映画でした。

たまたま戸棚の中に太宰の全集があるからヤスコ=アキコと確信を持つなどストーリーやセリフがやや安易な中、内山理名のほんとうに普通な感じがこの映画には良く合っていた。ジーンズに黒いハイヒールは合わないけど・・・。
黒田福美さんはちょっと静か過ぎるかなー、もっと感情を出す役にした方がいいのかと思う、日本的過ぎるね。
キム・ウンス氏の仕事人間だが私生活がぎごちない実直な感じはすごく好感が持てました。

思い返すとあまり光州事件の関連があるような映画ではなかった、
韓国映画「ペパーミント・キャンディ」を次は見てみたい。



最後に、最終日前日にこの映画の存在を教えていただいた佐藤さんに感謝します。
映画HP↓
http://www.to-kunosora.jp/index.html

映画の中で母と娘が柚子茶を飲むシーン、私の元義姉がよく冬は熱い柚子茶を飲んでいて、帰りには大きな瓶のそれをくれたことを思い出した。
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by Detachment801 | 2010-10-26 10:25 | 韓国・朝鮮文化
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