人気ブログランキング | 話題のタグを見る

旧車 パトカー 街の写真、食べ歩きから不要情報までというブログでしたが2014年に横浜に転居直後に癌発症、その後転移が見られ、現在も療養中。そのため内容がクルマに限らず身近なエリアと話題主体になっています。
by Detachment801
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30


地下室でカルトな舞台

先ほど、新宿で演劇を観て参りました。

元々、カルトムービーとして20年前に製作された映画の舞台版リメイクだそうですが、私は浅学にしてその存在すら知らず、たまたま今回、元タカラヅカの女優さんが演じられると言うことで知りました。

この物語「妹と油揚」はそのタイトルもおどろおどろしく、いかなる内容かといぶかしく思うほどでありますが、なんとまぁ「近親相姦コメディ」というほかに例を見ないジャンルでありまして、見る前からその評判も漏れ聞こえるにつれ、期待は日増しに高まったのでありました。

特別に冷え込む雨の夜、カルト舞台鑑賞にはうってつけの昨晩、会社帰りに私が単身向かったのは新宿二丁目も程近いSPACE「雑遊」、なんとなくオカマの東郷健氏率いる「雑民」を思わせるネーミング、場所も地下室で、連日ここでアンダーグラウンドな世界が繰り広げられていることなど、接点が無ければ永遠に知らないで過ごしていたことと思うと不思議な気もします。

まだ約三十分前に入場したので60人ほど入れるスペースはまだ空いていて、しっかり最前列に席を確保。開演の5分ほど前に急に混み出しほぼ満席、全体に男性が多いのは主役の女優さん2名がけっこう有名どころだからであろうか。
隣は演劇志望の女性二名で、次は何のオーディション受けようかとか、今日は監督来てないのか、等とかまびすしい。やたら咳き込む男性もいてなんだか気分悪いなぁ。男性はみな色白で細かそうなA型タイプが圧倒的に多いのだ。

舞台を見回すと、中央は地味な4枚の襖、右に小さなキッチンというより台所、左にはなぜか台所から最も遠いところに昭和三十年代の冷蔵庫、掛け時計が6個もあるし、天井全体に縄が張り巡らされてSM的な感じもしている。書架には碁盤やら広辞苑やらシュールリアリズムや昭和史の本、全体に和風だ。開演を待つ間はまるで学園祭の気分。前説の丁寧な語り口の若者が最前列には水などかかることもありますと言う、ジョーズでもでるのか?

照明が落ち真っ暗になりいよいよ始まる、内容は詳しくは書かないが、元タカラジェンヌの月船さららが「京子」(狂子かもしれぬ)と言う役で、さながら暗黒舞踊のごとき踊りを舞うところから物語は始まる。

出戻りの彼女は平凡な安サラリーマンの兄(寺十吾)と二人暮し、イズナという名前の魔物に憑かれていて踊り狂う。この兄とは近親相姦という関係を持っているのだ、
イズナは魔物と呼ぶにはあまりにも下品な俗物で何故か素肌にモーニングを着た痩せた男、妙に肌がキレイ。
彼女の身を案じた兄はわらをもすがる思いで、出口結美子と村松武史の珍妙なコンビのところに相談に行く、この出口結美子のやや鳥居みゆき的エキセントリックな役がいい。さまざまなところで主役の二人を食ってしまう。

そして、手ごわいイズナを追い出さんとさらに助っ人(外波山文明)を呼ぶが、なんだかあてにならない。
やがて京子を中心に兄以外は結託し、楽しく鍋を囲み、笑い興じる。このとき出演者が吹き出す水がモロに私に!やられたー!これだったんかいっ!

さらに孤立する兄に追い討ちがかかる、なんと愛する妹と、嫌らしい俗物魔物のイズナとの縁談話が持ち上がるのだ。あっという間に舞台は小さな披露宴と化す。イズナはモーニング姿なので礼服に着替える必要なし。
宴たけなわになった頃、出口結美子の唄うキーハンターのテーマは圧巻!昔CMで千葉ちゃんとジャワカレーなんぞ食っていた野際陽子もビックリだぜ。

結局皆は兄に自由になれ、と諭すのであった。狐憑きを軸に出戻り女性の開かれた恋愛感と男の閉じられた恋愛感を描きながら、最終的に独りよがりの常識や優越意識や偏見を持った兄よりも俗物たちの方が人生を謳歌しているようであり、心の解放を暗示して劇は終わる。
と言ってもシリアスではなく、くすぐりも多いあくまでもコメディ仕立てのドラマとして楽しめるのはむしろ高級であり、演劇と言うものの可能性の深さを思いました。

ちょっとワニっぽい月船さららとややナマケモノみたいなファニーフェイスの出口結美子は二人だけの演劇ユニット「metro 」として活動しています。今後も要チェック!最後に彼女らのステッカー買っちゃったです。
地下室でカルトな舞台_f0145372_441932.jpg

by Detachment801 | 2009-12-12 04:04
<< 丸の内 ヴァンピックル 再びエラン、リアフォグ車、メル... >>