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1959年式ビュイック エレクトラ 225
神宮外苑で行われたクラシックカーフェスティバルの中に、私が子供の頃から最も好むフロントエンドのデザインを持つアメリカ車を発見しました。
1958年の秋にGMが発表した一連の乗用車はそれまでの自動車史上、もちろん世界のインダストリアル・デザイン市場で最もダイナミックなスタイリングを持っていました。 その中でこのビュイックはGMでは唯一斜角4灯式のヘッドライトを備え、その大胆にして繊細なデザインは多くのファンを今も魅了し続けています。 ![]() 某美術系大学教授でもあられたオーナーの方にお話を伺う事ができました。 数年前に日本国内で完璧なレストアをされています。この色がまたこのスタイルを引き立てています。まさにエレガントの極致。今気がついたがバンパー下に吊られているのは方向指示灯かな?年式的には赤色の点滅/増減で問題ないのだが、その視認性の悪さからあえて現行法規に合わせていらっしゃるのかもしれません。 ![]() 59-60年式だけに存在した4ウインドウセダンは、リアウインドウが側面まで回りこむ曲面ガラスを採用し、そのcピラーの細さから、後席に座るとまるで金魚鉢の中にいるようだと言われるが、クーペにも普通の6ウインドウセダンにもない独特の平らなルーフを持ったこのタイプにはたまらない魅力があります。 ![]() まさにテイルフィン・ドリーム、翌年からはおとなしい形になる。ビュイックはあまり鋭利ではないそのフィンもキャデラックでは薄く研ぎすまされてしまい、コーヴェアを葬り去ったラルフ・ネイダー著の「unsafe at any speed」によると、渋滞中のキャデラックに追突した単車のライダーや、駐車中の車に誤って倒れこんだキャッチボール中の少年などに実際に大怪我を引き起こす事案などが起きてしまったようだ。 ![]() この車両は上級グレードのエレクトラのさらに上のエレクトラ225、キャデラックの低級グレードよりも上位に位置するほどで、キャデラックのスノビズムを嫌った上流層に受け入れられたそうである。 ![]() フロント・ドアを開けるとGMフィッシャー工場製品であることを示すステップのエンブレム、この図案は馬車の架装をしていたコーチワーカーであった名残であろうか、 ![]() オーナーのご好意で運転席に座らせてもらう。ダッシュボードに厚いパッドがあるようだがオリジナルかどうかは不明です。このクルマはおそらくレストア時にダッシュ上面もホワイトの仕上げを施したため、特に晴天時、フロントウインドウシールド内側への映り込みが激しく、黒い布を敷かれて運転されるとの事だった。 ダッシュボート下には社外オプションであるがすでにエアコンを備える。ラジオはオプショナルの自動選曲”ワンダーバーレイディオ”とフル装備。昭和33年に発表された車ですから、当時のアメリカ自動車文化のすごさを感じます。 なんとメーターやルームランプはLED照明に換装されたとの事、これは考えもしなかった。驚きです。 特筆すべきは時計までレストアされていること、50年代の車で時計が動いているのはなかなかいないです。一度だけ、20数年前にウイルキンソンの社長が所有していた59年式エルドラド・ブロアムのみが時計が動いていた記憶がありますが、当時まだ25年落ちぐらいでしたので、今から思うとその倍の年数を経過したこの車の時計が動いているのは凄いことなのです。 ![]() この写真でも素晴らしいレストレーションがわかる。サファイヤとプラチナで出来た宝飾品のようにも思えます。6000ccを超えるエンジン、全長はキャデラックと同じ約5.72m(225in)というクルーザーのようなこのクルマ、50年前に見た日本人には本当に高嶺の花であったことでしょう。 ![]() 私は翌年の形も好きではあるが、この一年だけの角度をつけられた吊り目の美しさは、他に例えようも無い。わずかにわが国のスカイラインスポーツ(*注1)と英国のトライアンフ・ヴィテス(*注2)にこの系統のヘッドライトを感じる。個人的にはもちろんどちらも好みです。 あえてモノクロームにしてみると前年の重厚さとは全く違うそのドラマティックでシャープな感じが際立つ。 ![]() (*注1)プリンス・スカイライン・スポーツ(1962) ![]() (*注2)トライアンフ・ヴィテス(1967) ![]() 参考画像:Wikipediaより(著作権放棄画像)
by Detachment801
| 2009-11-29 08:37
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