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カテゴリ:アイヌの国( 1 )

アイヌ・モシリという国があったこと

古書店で何気なく萱野茂氏の著書「アイヌの碑」を手にとって開くと、こんな文章が飛び込んできました。

「わが国土、アイヌ・モシリを侵され、言葉を剥奪され、祖先の遺骨を盗られ、生きたアイヌの血を採られ、わずかに残っていた生活道具までも持ってゆかれた。いったいこれではアイヌ民族はどうなるのだ。アイヌ文化はどうなるのだ」

萱野氏のことはなんとなくアイヌ初の国会議員であることぐらいしか知らず。この本も、日本の先住民であるアイヌの文化史ぐらいかなと思っていた私には強烈な文章でした。

購入して読み始めると、淡々と子供時代の思い出から始まるこの本は、じつは日本が、他国であったアイヌ・モシリ(北海道)を侵略した証言であり、征服された民族の血で綴られた永遠に語り継がれるべき叫びであるとわかり、戦慄さえ覚えるに至りました。


江戸時代に始まった日本人(アイヌ語ではシャモ)による北海道開拓は、アイヌにとっては侵略に過ぎず、大きな争いを避け、もめごとが起きたときには何日間でも議論して物事を決める平和主義者の彼らが当時の松前藩の圧制にかなう訳もなく、たちまちアイヌたちは奴隷同然の強制労働力としてシャモに徴用され、当時のアイヌの親たちは子供が大きくなることを悲しみであるというほどの毎日を過ごしていました。

明治になるとシャモの侵略は組織的になりアイヌは日本政府により次々と土地を奪われ(時にわずかなお金が渡されたことはアメリカ合衆国の成立過程においてネイティブアメリカンと白人の関係に似ています)、子供たちには日本語教育を行い(皇民化教育を思わせる)、アイヌを「旧土人」と呼ぶ法律により人々は一段と劣悪な状況におかれ、その土地はすべて「日本国」の国有林となり日本の財閥に払い下げられました。まるでこれは後に朝鮮半島で行うことの予行演習であるかのようにも感じられます。

萱野氏は言う
わたしたちは北海道、すなわちアイヌ・モシリという「国土」に住む「国民」であったのです。その「国土」に「日本国」の「日本人」が侵略したのです。

あまりのことに氏は一時期、アイヌのアの字を聞くのも嫌になり山奥の飯場暮らしを望み、いっぱしの親方にまでなったといいます。
これは、日本政府と日本人による差別が、氏に民族の誇りを捨てさせるほどひどいものだったという事だと思います。日本人は、自らが日本人であることが嫌になるほどの侵略や差別は受けたことがなかったのではないでしょうか?

しかし、アイヌ語を完璧に話す祖母に育てられた氏はアイヌの誇りを取り戻し、民具を収集し、文化を継承することに情熱を捧げ、とうとう国会議員にまで登りつめ、その生涯をアイヌ文化と言語を後世に残すことに捧げます。

昭和20年代も後半になると、アイヌ語を完璧に話せるひとはもうほとんどいなくなり、氏の父親とその友人たちは、アイヌの葬式をきちんとしてもらうためには「先に死んだほうが幸せ」だというほどの危機的状況になっていきます。

本の後半にこんな言葉があります。
「アイヌは好き好んで文化や言語を失ったのではありません.明治以降の近代日本が同化政策という美名の下でまず国土を奪い、文化を奪い、言語を剥奪してしまったのです。この地球上で何万年、何千年かかって生まれたアイヌの文化、言語をわずか百年でほぼ根絶しにしてしまったのです」

そしていまだに残るすさまじい差別、氏は続けます。
アイヌとシャモが好きになってもシャモの親は必ず反対します「自分たちの血にアイヌの血が混ざったらご先祖様に申し訳ない」と言います。

血とは何でしょうか?先祖とは何でしょうか?同じ人間に辛い思いをさせる血なら、先祖なら、そんなものにどれほどの価値があるのでしょうか?

既に氏はこの世にはいらっしゃいません。国会議員にもなり、アイヌ文化資料館を建てた氏の夢は「日本語を使わない幼稚園の設立」であり、望みは「鮭を自由に取る権利を返してくれ」だけでした。私は氏の思いにおもわず涙ぐみます。

いま私はこの本の存在を多くの人に知って頂きたいと思うだけです。

朝日文庫「アイヌの碑」萱野茂著
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by Detachment801 | 2013-11-06 00:11 | アイヌの国 | Comments(0)