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タテ目の初代セドリック
日曜の朝、練馬区内で、
ベレGなんて、一般道で見るのは久しぶりだ。このテールランプは随分大きいが最終型かな?リアウイングはこの車にはそぐわない。前方を横切る新しいスカイラインGTRとの対比の妙。 イチョウはその立つ場所によって葉の色づく時期に随分と差があるようだ。もうほとんどの場所では葉が落ちてしまったがここは今が盛り。早稲田にて。 早稲田から、渋谷に向かおうと思ったが大久保で古いセドリックとすれ違い、Uターンして撮影。 ナンバープレートがオリジナルなのが何より貴重。バンパーギリギリまで開くトランクリッドは使い勝手が良さそう。 これぞ元祖セドリックという面構え、縦型4灯のヘッドライトは初代だけのもの、マイナーチェンジで横型になってしまう。以後現在に至るまでセドリックは2度とタテ目に戻ることはない。 こうやってモノクロにすると昭和三十年代の写真に見える。とても美しいボディ。 5ナンバーと言うことは当時の基準では1500cc以下である。現代の感覚では明らかに非力であるが、軽快な爆音を立てて軽やかに走る姿からは必要にして充分と思わせる。もちろんパワステやエアコンなどに馬力を食われることも無いせいもあるだろう。 品のよい、それでいて下町的な気さくさも併せ持つ紳士であるオーナーの方に話を伺うことが出来たが、やはりオリジナルのナンバー通り、新車時に購入した本当のワンオーナー車だった。 お忙しい中、いろいろ初歩的な質問までする私に丁寧にお相手してくださりありがとうございました。「いやーダンナさん、好きなんだねぇ」と言われてしまったが、人生の大先輩である紳士に「ダンナさん」と呼ばれるのは気恥ずかしかったです。 自家用車と言う言葉自体が憧れだった時代のクルマ。 まだ荒削りで素朴ささえ感じられる顔。 それに対して繊細で女性的な感じがするテールランプとそれを取り巻くクローム。外装はすべて新車時のままだそうだ。戸のついた屋根つきのガレージで屋内保管の強みですな。 アメリカンスタイルを大胆に取り入れたラップアラウンドウインドシールド。現代はここまでの曲面グラスは採用しない。 前傾したAピラーを持つため三角窓が三角ではなく上部のほうが幅が広くなっている。有鉛ガソリン指定のステッカーが貼られているが、現在のハイオクは無鉛ハイオクなので添加剤を使われているとのこと。 完璧なコンディション。ホイールやホイールカバーも純正。タイヤは当時の面影を最もよく残しているスカイウェイだが既にこれも入手困難だそうだ。 助手席側の三角窓には時代を映す各種ステッカーが貼られているが、一番下のはなんと日産追浜工場で貼られた出荷時の検品済みステッカーだそうだ、50年近い時の流れにより色あせてはいるが、残されていることだけで驚きである。 前面ナンバープレートは蝶番で開く構造になっている。 ナンバープレートを持ち上げると、緊急時はクランクによるエンジンスタートが可能なようにクランク棒を差し込む穴があるのだ。これを知っている人は少ない。 追加12/23.0900 クランクの話:これは以前 故五十嵐平達氏より伺ったのですが、クランクはケッチン食らわぬように親指は他の四指に添えるだけにして。むやみに回すのではなく一気に上死点を通過させれば半回転で始動するのだそうです。「俺はいまでも簡単にエンジンかけて見せるよ」とおっしゃっていたのが思い出されます。 しかし現代の人間である私は体験がありません、大体どのあたりが上死点なのかがいまいち掴めないでおります。
by Detachment801
| 2009-12-21 07:36
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